名護屋城大茶会

2022.3.20

第五回 「すべての道は、名護屋に通ず」

手つかずの城跡が城マニアのあこがれに

 名護屋城は言うなれば、安土桃山時代のポンペイでしょう。後世の手が一切加えられずに現存する、秀吉時代のお城は唯一、名護屋城しかありません。現在ある大阪城も、石垣は江戸時代に、天守は昭和に築造されたもので、秀吉が造ったお城とはまったく違うのですから。
 お城ブームが年々盛り上がっていますが、ひと昔前は天守閣など建物のあるお城巡りが主流でした。しかし今はむしろ、縄張り(設計)の巧みさや防御施設の工夫などが注目され、マニアックな領域に深化しています。そんなお城マニアの人たちにとって、往時の石垣や陣跡がありのまま残る名護屋城は垂涎の的になるはずです。

多彩に学び交わる大茶会の楽しみ

 桃山文化を象徴する黄金の茶室と草庵茶室。この両極端の美意識が共存するのがこの時代の醍醐味と言えるでしょう。
 秀吉は本拠地・大坂城の一角にも鄙(ひな)びた山里曲輪(くるわ)を設けました。千利休の命を懸けた美意識の追求に、秀吉は共感し、嫉妬さえしたのではないでしょうか。「名護屋城大茶会」では歴史ロマンや茶の湯文化に触れ、この地が全国から集いし武将たちの文化交流の場であったことを知って欲しいと思います。多彩な「はじまりの名護屋城」を大いに体験しましょう。佐賀の奥深い魅力を味わう至福の一服を、どうかお楽しみに。

佐賀新聞社社長
中尾清一郎

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